3.53 (評価数:137件)

〒399-9422 長野県北安曇郡小谷村白馬乗鞍高原 [地図]

東京から車で240

予想以上に面白かった!

4.5

2014/02/02

雷電風雪さん

☆☆☆☆★ 4.5 満足。丸一日飽きずに楽しめる。

【総評】
2014年1月29日、初訪問。
標高差500m弱(当サイトをはじめ、600mと書いてあることが多いが、これは廃止された最下部の連絡リフトを含めた古い数値)、最長滑走2,500m、規模的には『中の大』くらいだろうか。横に広く、コース数が多いので、マップを見るとかなり大きな印象だが、実際に滑ってみるとそれほど大きいとは感じない。若栗エリアと里見エリアが谷で分断されているせいもあるだろう。
1,000m前後のリフトが横に並んでいてアタマの上にスカイビューゲレンデがポコンと乗っかっている構成で、快適なロングダウンヒルは望むべくもないが、各コースが間延びせずにちょうどいいくらいの長さで揃っているので、滑走の充実感は素晴らしい。
直営ホテルがある滞在型のスキー場にはままあることだが、現地宿泊以外の来場者にとっては、駐車場やチケット売り場等の案内がもの凄く不親切で、正直かなり脇の甘い部分がある(詳しくは後ほど)。が、それらの問題をクリアして一旦滑り出してしまえば、スキー場そのものはかなり面白く、どんなレベルの人も十分に楽しめるだろう。

【イントロダクション】
西は岐阜のほおのき平から北は北海道の名寄ピヤシリまでおよそ100か所のスキー場を巡ってきたが、白馬エリアの滑走対象スキー場で最後の最後まで未踏のままだったのがここハクノリだ。
ハクノリはそれなりの規模もあるし、何よりスカイビューゲレンデという是非とも滑りたいゲレンデがある。にも拘らず、ずっと行かなかったのにはもちろん明確な理由がある。
数シーズン前まで、公式HPでの情報提供がお粗末の極みで、リフトの運休やコースの滑走可否という最も重要な情報がなかなか取得できなかったからだ。
僕は、基本、平日休みだ。そして、行ったスキー場の上級コースは全て滑るというノルマを自身に課している。つまり、平日に上級コースをクローズしているスキー場はどうしても後回しになる傾向がある。現在でも、竜王スキーパーク(平日はバレー第5という上級コースがクローズ)が未踏のままであることなどがその典型例である。
ハクノリに関していえば、スノーナビという外部サイトを通じて、スカイビューゲレンデが平日はクローズしていることだけは分かっていた。しかし、その他の上級コースやモーグルコースがどんな状況なのか、さっぱり分からないシーズンが長いこと続いていたのだ。
ところが、確か先シーズンくらいからスカイビューが平日も再開した。公式HPもようやく改善され、平日でも、基本的には全コース開放していることが明らかになった。格安の早割券も見つけた。こうなれば行くしかないさ。天気予報を吟味して、降雪の翌朝に滑れるよう日程を調整し、4年ぶりに白馬に向かった。
基本的に僕のスキー場選びは『新規開拓』だ。今シーズンここまで滑った7か所のうち5か所が初訪問である。だが、初訪問のスキー場でも、不便な思いをするのはキライだ。駐車場~着替え~リフ券購入~リフト搭乗…という最初の動線をいかにロスなく済ませるか。そのために事前の情報収集は怠らない。こういう目線でスキー場のサイトをつぶさに見ていくと、キッチリ情報提供しているスキー場と脇の甘いスキー場の差というのは歴然としている。
ハクノリは、リフトやコースの情報こそまともになったが、上記のような部分はまだまだ脇が甘い。特に白馬乗鞍観光協会が提供しているマップは酷いシロモノで、駐車場の位置は大雑把だし、チケット売り場や更衣室が何処にあるのか全く書いていない。アルプスホテルが出しているマップはまだましだが、それでも初めての人間には不親切だ。

【アクセス~滑り出し】
とりあえず、駐車場の近くに更衣室がないことは予想できたので、朝、白馬市街を出発する時点でウェア類は全て身に着けて行くことにした。
R148からのアクセス路は問題なかった。暫くは白馬アルプスホテルの看板を目印に進み、現地に近付くとちゃんと駐車場の案内看板が出ていて、難なく到着した。案の定、付近には更衣室はおろか、簡易トイレひとつ無かった。先客は2台しかいない。ところが、ここに車を駐めるのはいいとして何処からゲレンデに入ればいいのか良く分からない。ちょっと様子を見るために付近をひと回りしてみると、この駐車場のはす向かいにあるスクール兼レンタルショップの脇からファミリーコースに出られることが分かった。何だ、駐車場からゲレンデまで1分もかからないじゃないか。
スキーブーツに履き替え、板を担いでゲレンデに向かう。ちょうど、ショップの人が犬の散歩から帰って来たところだったので、チケット売り場の場所を尋ねると、このままファミリーコースを下った第1リフト乗り場のところにあるという。何だ、ちゃんと便利な場所にあるじゃないか。こういう動線をちゃんとHP等で分かるようにしてくれれば、初めての人も安心して来れるのにさ。
窓口で、早割券を当日の一日券と引き換え、ついでにスカイビューゲレンデに最短で行くにはどうすればいいか聞いてみた。お目当てのスカイビューゲレンデは、ここからまさに対角線、一番離れた場所にあるのだ。おじさんの説明によると、ここから第6高速ペア乗り場まで歩いてゆき、第6~第9~第10とリフトを乗り継ぐのが一番早いとのこと。だが、その第6乗り場というのは、ここからだとアルプスホテルやスノードロップというレストハウスを越えた先で、結構離れているし、坂を登らねばならない。正直、板を担いでスキーブーツで歩くのはかったるそうだ。目の前にある第1ペアに乗ってしまえば上から滑って行けるから間違いなく楽チンなのだが、おじさんはそうは言わなかった。後で分かったことだが、この第1ペアは初心者専用の超ノロノロリフトで、そのくせ700m以上あるから完全に時間をロスするのだ。仕方がないので、言われた通り第6乗り場までエッチラオッチラ歩く。時刻は9時過ぎ。早朝はかなり冷え込んでいたが、元気な太陽に照らされて気温は一気に上昇、既にプラスになっているだろう。坂道を登っていると早くも汗が噴き出した。だが、一旦坂を登ってしまうと、目的のリフト乗り場はそこから一段落ち込んだ場所にあり、すぐに板を履いて滑り込むことができた。思ったほどかったるい歩きでもなく、まぁ許容範囲だろう。
こうして説明された通りリフトを乗り継いでスカイビューゲレンデに向かう。第10ペアの乗り場に着いたのは多分9時半ごろ。リフト運転開始の定刻だが、既にリフトは動いていて、数人の先客がファーストトラックを刻んでいた。定刻より早くリフトを回し始めたのか、僕の到着が実は遅れていたのか、正確な時刻は確認しなかったから分からない。ファーストトラックを食えなかったのは残念だが、何しろ広大なバーンだ。面ツルの綺麗な新雪はまだまだ残っていて、自然と頬が緩む。すぐに第10リフトに飛び乗った。

【スカイビューゲレンデ】
どピーカン。ちょっと春スキーのような暖かさだ。昨夜の新雪は膝くらいの深さ。握ってみるとギリギリ団子にならないくらいの乾雪だった。公称最大斜度は38度だが、何しろ広大なフルオープンバーンなので圧迫感が全くない。先ずはゲレンデのど真ん中を一本滑ってみる。やはりちょっと重めの雪質で、人のトラックと重なるとちょっと足を取られる感があり浮遊感満点とはいかない。が、殆んど底付きする感じも無く、下地のギャップは全然気にならない。これは見た目よりずっと滑りやすいぞ。後で、ボードでも滑ってみよう。
下から見てリフト左側は自己責任エリアとして開放されている。このエリアは木やブッシュ、地形のうねりがあって難易度が増す分滑走者も少なく、新雪もたっぷり残っている。結局、ゲレンデ側と自己責任側を交互に滑ることにして5、6本リピしただろうか。
このコース、残念なのはリフトの運転時間が短いことである。平日は13時まで(休日はたしか14時まで)で、こればかりは何とかしてほしい。尤も、数シーズン前までは、平日は運休していたのだから、滑れるようになっただけでもマシと言われればそうなのだが。
このままスキーで他の上級コースも一通り滑り、ボードに履き替えて再度やって来るにはそろそろ移動しなければ。後ろ髪を引かれる思いで一旦下山することにする。
因みに、ボードに履き替えて再度やってきたのは12時過ぎ。この時刻ではさすがに広大な斜面も完全に食い尽くされた状態だったが、相変わらず、モコモコの見た目より遥かに滑りやすい雪だった。下地がフラットになっているからか、高速で滑っていてもギャップで飛ばされることが全然ないのだ。
リフト係のおじさんと少し話したが、このコースは多少湿った雪が降っても、風が強いからすぐに水分が飛んで軽い雪になるのだとか。うーん、スカイビュー、予想通り、いや予想以上に楽しいゲレンデだったぞ。

【里見尾根コース】
やや幅は狭いが、きっちり圧雪が入り、カービングで心地よく飛ばせる。多分、中級者には一番いいだろう。途中から左手に非圧雪の急斜面が分岐する。この斜面は狭い谷筋のコースで距離も短く、リピして楽しむような場所ではない。ただ、滑る人が殆んどいないので新雪の残存率は高い。

【ハイウェイコースとモーグルコース】
若栗エリアに戻り、朝イチから気になっていたモーグルコースに行ってみる。基本的にこのモーグルコースは誰でも入れることになっているのだが、この日は見るからに上手そうなチームの大掛かりな練習が入っていて、ちょっと敷居が高そうな気がしていたのだ。
第3高速ペアに乗りハイウェイコースを滑る。ハイウェイコースは前半と後半で全く性格の異なるコースだ。前半は整地の急斜面。公称最大斜度は28度だが、やや幅が狭くもっと急に感じる。後半は左に大きくカーブして、中央ゲレンデに下りて行く幅広の中斜面。だが、この部分、全面非圧雪だ。モーグルコースはこの部分のコース端に設置してある。
不整地に入りたくなければ、そのまま直進して尾根筋を辿ればカモシカコース(整地中斜面)に繋がる。コースの繋がりとしてはハイウェイ上部からカモシカへ行った方が、整地が続いて分かり易いのだが、何でこんなコースの分け方をしたんだろう?
ともあれ、ハイウェイ上部の急斜面はそこそこ難度が高く、間違っても初級者の手に負えるコースではない。第3リフト乗り場にも大きく上級者専用と看板が出ている。にも拘らず、ボード初級の若い5人組が入り込んできて、ギャーギャー言いながら上から下までひたすらサイドスリップでズルズル下りているのを見た。最近は随分少なくなったとは言え、未だにこんなバカがいたとは。リフト乗り場に『上級』と書いてあったろうに、コイツら字もまともに読めないのか。
それはさて置き、モーグルコースだ。なんか凄いチームが来ているぞ。エア台の整備も完璧で、バックフリップとか当たり前のようにポンポン飛んでいる。俺みたいな素人が入れる感じじゃないぞ。コース脇から、エア台の整備をしていたおじさんに一応聞いてみた。
「すいません、ここは一般でも滑っていいんですか?」
「あー、普段は全然いいんだけどね…今日はちょっと大掛かりな練習が入っちゃってるから…ちょっと…今日だけは…」
要するに、空気を読んで遠慮してくれ、という感じの言い方だ。
「そうですねー。みんな上手いっすね。どこかのチームですか?」
「うん、まぁそうなんですよ…」何故か、歯切れの悪い言い方をするおじさん。
その時、目の前を一人の女の子が惚れ惚れするような華麗な姿で滑り降りて行った。スゲーなぁ…思わず口に出しながらその姿を見送っていると、おじさんがちょっと打ち明けるような口調で言った。
「今の、上村愛子ですよ」
!!!!!!!…。「ええ~~!!マジすか!!…マジすか!?ナショナルチームですか!!?」多分、この時の俺は目ん玉が3センチくらい飛び出ていたと思う。
おじさんは苦笑しながら人差し指を口に当て「ナイショね。ナイショね」と繰り返していた。
時はまさにソチオリンピック直前である。オリンピック代表チームが国内での最終調整に来ていたのだ。“お忍び”という訳でもないだろうが、大会を目前にしてナーバスになっているであろう選手を慮って、あまり騒いでくれるな、という意味の“ナイショね”だった。
こうなったら自分が滑るどころのハナシじゃない。国内、イヤ世界トップレベルの選手たちが本当に目の前数メートルのところで滑っているのだ。こんな眼福があるだろうか。
俺は、選手たちが最も気合の入ったエアを繰り出す第2エアの場所まで下り、世界一美しいと言われる上村選手のコークスクリューを目に焼き付けた。他にも女子の伊藤選手、男子の遠藤選手…いやあ、ホントに凄かったわ。
因みにこの記録、upを遅らせたのは一応おじさんの「ナイショね」を考慮したからである。現時点では既に選手たちはソチへ入っている。もうupしても問題なかろう。

【エキスパートコース・スネークコース】
ハイウェイコースから右に分岐していく上級コース。全面非圧雪。ブッシュや地形のうねりはあるが、それほど斜度はない。スキー場下部にあるので雪は重くなりやすいが、滑走者が少なく新雪がかなりきれいに残っていて意外と滑り易かった。

【更衣室】
こうして大満足のお滑りタイムは終わった。後は着替えて、無事に東京までクルマを転がしていくだけだ。
だが、先にも書いたとおり、この駐車場には隣接した更衣室がない。たまに、駐車場でパンツ一丁になって着替えている男を見かけることがあるが、俺は何があろうとそういう見っともない真似はしない。普段ならスキー場近辺で温泉に入ってさっぱりしてから帰るので、そのタイミングで着替えてしまうのだが、今日はちょっと事情があって温泉はパス、直帰しなければならないのだ。
更衣室の場所は、昼メシを食っている間に電話で確認しておいた。案の定、アルプスホテルの中にあるのだ。
アルプスホテルのエントランスに向かって車を入れると、その手前に20台くらいの駐車スペースがあった。平日だし、駐まっているのはほんの4、5台だ。そこにちょっと車を置かせてもらって着替えを持ってホテルに入っていくと、汗臭いスキー場とは明らかに一線を画す小奇麗な空間が広がっていた。きちんと制服を着たフロントマンに更衣室の場所を尋ねると、口頭でもすぐに分かるような場所なのにわざわざ印刷した案内図を出して教えてくれた。この一件だけでも、このホテルのホスピタリティは相当しっかりしていることが窺える。機会があったら泊まってみたくなった。このホテルの大浴場は立ち寄り利用も可能で、直帰の必要がないなら間違いなく入っていただろう。
更衣室はそこらへんのスキー場のセンターハウスにあるものと変わらなかったが、むろん不便はないし不満もない。汗臭い靴下や湿っぽいウェアをそっくり着替えて身軽になり、綺麗なロビーで一休みするだけで、一日の疲れも随分と癒された気がした。

このスキー場、駐車場やらチケット売り場やら更衣室やら…事前に心配していたことが、現地に行ってみたら全ていい方に裏切られた、と言っていい。何もない駐車場は不便と言えば不便だが、一回行って各施設の場所を知ってしまえば無駄にウロウロすることは何もないのだ。
コースそのものは文句なく面白いし、何よりびっくりするほど空いている(休日は知らんが)。おそらく、そう遠くないうちにまた来るだろう。何と言っても“嬉しい誤算”で滑れずじまいだったモーグルコースが残っている。今度は、この足で滑ってみなければ。

【ここが○】
・スカイビューゲレンデの存在。これほど開放的で、障害物がなくて、空いていて、気持ちいいバーンはそうそう無い。ただし、全面完全非圧雪なので楽しめるのは上級者限定。リフトの運転時間が短いのも残念。
・スカイビュー以外にも豊富な非圧雪コース。パウダージャンキーは隣の白馬コルチナに行く傾向が強いから、新雪狙いには穴場かも。
・リフト券が安い。更に格安な早割券を2月いっぱいまで販売中。

【ここが×】
・不便な日帰り駐車場。トイレ、更衣室、チケット売り場…何一つ隣接していない。そもそもこのスキー場にはセンターハウス的な施設が存在しない(そういう機能は、結局白馬アルプスホテルに集約されている)。

【天候・気温】 晴。朝は麓で-7℃まで冷えたが日中は一気に気温上昇。

【雪質】 前夜、降雪あり。朝のスカイビューでギリギリ乾雪。日中は湿雪。

【公表積雪深】 165cm

【リフト、コースオープン状況】 第7ペアのみ運休。全コースオープン。

【混雑状況】 平日。リフト待ちなし。コース混雑なし。

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