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12/09

3.89 (評価数:4253件)

〒990-2301 山形県山形市蔵王温泉 [地図]

東京から車で330電車で210

スキー場情報(詳細)

デカい、ということはやはりアドバンテージなのだ

4

2016/03/11

雷電風雪さん

☆☆☆☆4 満足。今度はコンディションのいい時に…

【総評】
'16年3月8日(火)~9日(水) 6年ぶり再訪。
3月になった。記録的暖冬少雪の今シーズン、もはやフカフカパウダーはそうそう期待できまい。ちょっと早いが春コブでも滑りに行こうか。個人的な事情で、泊まりの日程ではクルマが使えなくなったので、JRのスキーツアーで安くて良さそうなのを探してたら、平日限定、蔵王1泊2日のプランが見つかった。
おお、蔵王か。ここなら二日間目一杯滑ってもまず飽きることはないし、もちろんコブの場所も知っている。樹氷は期待薄だが、雪がない、という心配もない。今シーズンは東北だらけで、長野のスキー場にひとつも行ってない、というのは僕の中では異例中の異例だが、まぁこれも何かの縁だろう。慣れた手つきで新幹線、飛行機用の荷造りを済ませ、久しぶりの山形新幹線つばさに乗った。
天気予報を見て分かっていたことだが、初日は春の陽気。山頂でも1℃くらいまで上がっていた。そして、ここは暖気が入ると凄まじい濃霧が発生するのだ。中央ロープウェイや山麓ロープウェイの山頂駅より上部は10m先も見えないような霧、霧、霧。地形が複雑でコースの分岐が多いこのスキー場では一番避けたい状況である。結局、視界ゼロ、樹氷ゼロ(樹氷は2月中旬の暖気と雨で早々に全滅したらしい)、湿雪の山頂付近には何の魅力もなく、さっさとベース部に移動、上の台、サンライズあたりでチマチマ遊んでいた。
翌日は寒気が戻った。予報より冷え込みは厳しく、日中の地蔵山頂駅は-6℃。断続的に雪が降り続き、春用の装備で滑っていた僕にはけっこうキツかった。雪質は案の定、全山ガッチガチのハードパック。前日の暖気で緩みに緩んだ雪がそのまんま氷になっていた…。
とまぁ、コンディションはそれ程…というか、全くよろしくなかったわけだが、それでも飽きもせず二日間滑りっぱなしで楽しめたのは、やはりその巨大さゆえだろう。標高差が880mもあれば、上部は視界ゼロの霧でも下部は全く影響ないし、ベース付近でも遊べるコースはいくらでもある(むしろコブはベース付近の方が多い)。気象状況や目的に応じてコースをいくらでも選べる、その選択肢の広さこそ、蔵王の強みなのだろう。もちろん、コンディションが良ければ文句なしの☆5評価のスキー場だ。
実は以前滑ったときも全く同じ天候だった。初日は暖気と濃霧、二日目は寒気とガチガチハードパック。この時は樹氷はしっかりできていたのだが、両日とも山頂部の視界はほぼゼロ。まともな樹氷原の姿は未だ一度も見たことがない。次こそ見てみたいものだが…僕の優先順位的にはライザや八甲田に行く方が先だろうし、そっちでご対面~なんてことになるのかな?

【ここが○】
・圧倒的なコースバリエーション
初めて行く人はコースの予習は必須だ。霧に巻かれると本気で迷子になるよ。

・良質な温泉

【ここが×】
・歩かなきゃいけない場所がけっこう多い
酷いのはパラダイスゲレンデのベース付近。コース内にも歩きポイントがいくつかある。何回か滑ってるうちに覚えるけど。

【天候・気温】
3/8…曇り、上部は濃霧。昼過ぎ、トップで1℃くらい。
3/9…雪時々曇り 昼過ぎ、トップで-6℃、ベースで-1℃。

【雪質】
3/8…湿雪、シャーベット
3/9…ガッチガチのハードパック。昼頃から場所によっては降雪でやや回復。

【公表積雪深】130cm

【リフト、コースオープン状況】
唐松ペア、平日運休。パラダイス第3ペア運休(理由不明)。公式には全コースオープンとなっていたが、コタンゲレンデはリフトが動いてないから滑れない。ハーネンカム上部の急斜面はコース入口の雪が融けてしまって地面丸出し、エントリーできない。これをほったらかしにしてアナウンスもしないのはどうかと思う。

【混雑状況】
平日。団体なし。年配のツアー客が多い感じ。リフト待ちなし。ストレスを感じるほどのコース混雑もなし。

【コブ情報】
・中央ゲレンデ第2ペア沿い上部
初日に行ったので、シャクシャクの春コブ。難易度低く、コブの形状は…忘れた。

・ハーネンカム上部
いい感じのラインコブが数本できていたが、前述の通りコース入口が地面丸出しでエントリーできず。コブの溝も土見え部が数か所あった。果たして今シーズン復活するのか?

・中森第2ペア沿い上部
中央ロープウェイ車内から見ただけで滑らず。けっこう土が出てたような気が…。

・温泉第3リフト沿い上部
コース端にラインコブが2本くらい。初日に行ったので、シャクシャクの春コブ。難易度低く、コブの形状は…忘れた。深さはそれなりにあったと思う。

・横倉ゲレンデ下部
コース端にラインコブが2本。初日シャクシャク、二日目ガチガチ。ピッチ普通、深さ普通、ふり幅大きめのバンクコブ。

・横倉の壁
ピッチはかなり長め、というかバラバラで綺麗なラインになってない。深さもバラバラ。初日はシャクシャクだったので突っ込み放題。正直、余裕でこなせたのだが…。二日目は一転、ガッチガチに。融けて削られてかなり間延びしたのが、エッジの効かないアイスバーンになってるもんだから、コブの間隔どおりに滑ろうとすると即オーバースピード。“受け”の部分も、浅いところは板が抜けちゃうし、深い所は衝撃がハンパないし、苦労しました。

・大森の小カベ
二日目のみ滑走。短ピッチ、深い、ふり幅小さいタテタテライン。斜度は大したことないが、ガチガチに締まっていたので、まぁ大変。深い吸収と接雪を意識して何とか攻略。他にも何本か浅めのラインもできていた。コブの形状が一番マトモだったのがここだ。

・大森のカベ
二日目のみ滑走。横倉の壁よりさらに荒れて間延びした自然コブ。ガチガチ。まともなラインはできてない。もはやコブの滑り以外のものを要求されているようで、一本だけでやめた。小カベの方がずっと面白かったしね。

・黒姫クレイジートラバース
二日目のみ滑走。割とツブの揃った自然コブ。朝イチで行ったときは「こりゃ石か!?」と思うほどカチンコチンで辟易したが、昼過ぎには新雪が溝に詰まってかなり楽になった。コース終盤まで長ーいラインコブが一本続いていて、こちらは斜度もピッチも深さもちょうど良く、楽しめた。